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哲学は数字に宿る

札割れの記事を書いてしまったので間が空いたが、「ODAという自己満足」の続きを書きたい。

前回、日本のODAが事実上自己満足のためだけに行われているということ、そのせいでODAにいくら使ったかだけが問題となり、その成果の検証は完全におろそかになっているということを書いた。これは右から見ても左から見ても結構ろくでもない状態だ。ODAが日本の国益にどのように貢献しているかについても、ODAが途上国経済にどれだけ役に立っているかも、今の日本は無関心だということになるからだ。

これは世界的には比較的珍しいケースであるように見える。もちろん、ODAは自国の国益のためだけにやる!と公言するような恥ずかしい国はあまりないが(そういうのは裏でこっそりやればよろしい)、各種援助がどの程度途上国の社会経済に影響を与えているかということは、普通どの国でも議論の対象になる(だからJubilee Campaignのようなものが出てくるわけで)。「世界から貧困を撲滅せよ」というスローガンがマジメに議論されているわけだ。

ところが、日本ではこれがない。最貧国で栄養失調に苦しむ赤ん坊の姿に盛り上がることはあっても、そういった子供を生み出している社会システムの問題、それに対する処方箋についての議論が社会的に盛り上がったことは今までないのではなかろうか(あったとしても、せいぜい政治家の汚職がいかんとか、そういう瑣末な問題に短絡しておしまいになる)。その辺り、日本の左翼は木を見て森を見ない類の人たちが多すぎる。

そこで、今回は「ODAが途上国経済にどの程度役に立っているか」が現状どう検証されていて、どうあるべきなのか、といった辺りを考えて見たい。筆者の好みはむしろ「ODAがどう日本の国益に反映されているか」なのだが、どの程度対象国の利益になっているのかも測れない今の状況では、日本の国益についての議論など夢のまた夢だ。

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札割れのお話(3) 傾向と対策

さて、大半の読者を完全に置いてけぼりにしたこのシリーズもこれで最終回だ(ということなのでどうか今後ともお見捨てなく・・・お願いしますお願いします)。

前回今回の札割れの原因は政府が資金を大幅に市場から吸収したせいだ、ということを書いた。ただ、その理由が良く分からなかったので、今後の見通しも書くことが出来なかったのだが、本石町日記氏から頂いたアドバイスを元に色々調べてみたら大体全体像がつかめたように思うので、まとめてみたい。

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札割れのお話(2) 札割れのメカニズム

さて、そもそも日銀の金融調節(オペレーション)とはどういうものなのかは一通り説明したので、懸案の札割れの話に移りたい。まず札割れってそもそも何、という話から。

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札割れのお話(1) 日銀当座預金というキノコの苗床

なんだかえらい勢いで日銀のオペが札割れておりますが。

この話、金融政策を考える上ではそれなりに重要なトピックとされているのだが、そのわりにはそもそも「札割れってなに?」という辺りがあまり詰められていないような気がする。前から少し考えていたのだが、この辺りのマネーマーケットの事情がほとんど世間様に知られていないせいで、当座預金残高とか非不胎化介入関連の議論で賛否両論が見事に噛み合わないという事態を招いているようにも思うのだ。そんなわけで、今日はその辺りのマネーマーケット事情について書いてみたい。

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