« March 2005 | Main | May 2005 »

大丈夫か韓国(4) 困った隣人との付き合い方

1ヶ月ほどかけて、つらつらと韓国の置かれた現状を眺めてきたわけだが、最後に第1回の最後に書いた問いかけに戻りたい。この韓国に対して、今後日本はどう付き合っていくべきなのだろうか?

過去3回、政治経済の両面で韓国の置かれている状況が危ういこと、日本と比べてある意味劣位にあることを説明してきた。では、日本はこの優位な状況を生かして韓国に対して十分な影響力を行使できるだろうか?答えはノーだ。とことんまで単純化すると、外交戦略(というより、交渉戦略)には2種類しかない。アメとムチだ。たとえ対等の同盟関係であろうと、「言う事を聞いたらごほうびをあげますよ」か、「言うこと聞かなかったら痛い目に合うぞ」のどちらかが同盟関係維持の根底にある。そして、どちらのアプローチも実行するにはそれなりのコストがかかる。アメをあげるにはこちらの権益を譲らないといけないし、ムチをくれるにしても(例えば)経済制裁は韓国のみならず日本にとっても負担になる。まして戦争をおっぱじめようものならその人的・金銭的コストはちょっと半端なものではすまない。

つまり、韓国にこちらの言うことを聞かせるのはいいとして、その結果得られる利益がアメ・ムチのコストを上回らない限り、日本はこのような交渉戦略を発動できない。例え無理やり発動したとしても、韓国は「どうせ実行できるわけないじゃん」と無視することになるので、結局無意味だ。だから、対韓国・北朝鮮外交を考える際には、その外交戦略のコストと、その結果得られる利益がそれぞれどの程度なのかをちゃんと測らなければならないのだ。

Continue reading "大丈夫か韓国(4) 困った隣人との付き合い方"

| | Comments (70) | TrackBack (0)

大丈夫か韓国(3) 大貧民爆弾が炸裂する日

筆者が1週間ほど出張でネット環境を離れている間に、韓国はなんだか「挙げた腕の振り下ろし所に困る状況」になってしまっているようで、正直旬を逸した感もあるのだが、今回で一旦韓国シリーズのまとめとしたい。

前回前々回と、韓国が大国に囲まれているせいで生じた悲喜こもごもをお伝えしてきたわけだが、韓国にはもうひとつ頭痛の種がある。言うまでも無く北朝鮮のことだ。ロシアと中国両方に国境を接しており、ロシアにとってはウラジオストックを扼する要所、中国にとっては日本海への橋頭堡。まぁその辺りは前々回に強調したので措いておくが、なによりもまずいのはこの国の経済状況だ。一人当たりGDPは1000ドル弱。日本の30分の1。最貧国に入るか入らないかのぎりぎりに位置する。

冷静に考えると、韓国にとって北朝鮮を吸収する意味はない。肉体労働以外はほとんど生産性の期待できない2000万人に、農業に適さない不毛な大地と(南朝鮮のほうが土地は肥沃)中国とロシアの国境線がおまけでついてくる。お荷物以外の何物でもない、と書くと、「北朝鮮が韓国と完全に統合されたときの底力は云々」と言われそうなのだが、とりあえず、我々が想像できる将来にその底力とやらが発揮される可能性はゼロだ。その辺り、東ドイツの例を引いて考えて見たい。

Continue reading "大丈夫か韓国(3) 大貧民爆弾が炸裂する日"

| | Comments (86) | TrackBack (1)

大丈夫か韓国(2) 「相対的」弱小国の悲哀

前回、この韓国のネタは半年前から考えていたと書いたが、半年間も放置していたのはこの記事を書くのが面倒くさかったからだ。政治ネタと違って、経済ネタでは思考実験だけで全てを片付けるわけにはいかない。ある程度統計資料でファクトを重ねないと、まともな議論にならないのだ(もちろん、こう感じるのは筆者が経済学を学んだからで、政治学を学ぶ人には別の感想があろうが)。

今回も比較的地政学っぽい議論なのだが、経済・ビジネスな側面から韓国のおかれた状態を考えて見たい。

Continue reading "大丈夫か韓国(2) 「相対的」弱小国の悲哀"

| | Comments (45) | TrackBack (3)

« March 2005 | Main | May 2005 »