« February 2006 | Main | April 2006 »

で、日銀は何をやったのか(下)

とりあえず量的緩和解除はどうでもよいとして、しかしそれでも先週末からの日銀の様々なアナウンスは重要な意味を持つ。なぜなら、我々は初めて「完全なフリーハンドを得た日銀」と対峙することになったからだ(この本石町日記氏の指摘はとても鋭いと思う。眼から鱗どころかまぶたが落ちそうなくらいに)。つまり、我々は日銀がこれから何を狙って、どのように行動するのか、一から考えなければならない。「一から考える」というのは、

1. 日銀は何を望んでいるか(政策目標)
2. 日銀は現状をどう認識しているか
3. 目標と現状のギャップを埋めるために、どんな政策が取られるか(政策手段)
4. 我々民間はそれに対してどう対処すべきか
5. この民間のリアクションが日銀の行動にどんな影響を及ぼすか

を考える、ということだ。当然、同じ事を日銀自身も考えなければならない。我々が上のプロセスで勘違いをすれば、5.で結局金融政策の効果にネガティブな影響を及ぼす。だから日銀は、上のプロセスで我々が正しく予想できるように便宜を図らなければならないわけだ。以下、ひとつひとつ考えて見たい。

Continue reading "で、日銀は何をやったのか(下)"

| | Comments (230) | TrackBack (0)

で、日銀は何をやったのか(上)

もう1週間遅れでタイミングを完全に逸しているのだが、日銀の量的緩和解除の話を軽くまとめておきたい。ただし、後で説明するように、量的緩和解除それ自体よりもそれにくっついてきたネタの方が100倍重要なので、量的緩和解除の話は極力短く抑える予定(それに、日銀の量的緩和になんの意味も無いことは既に繰り返してきたのだし)。

Continue reading "で、日銀は何をやったのか(上)"

| | Comments (144) | TrackBack (0)

インフレ・ターゲット(4):約束だけならサルでも出来る

さて、前回、いわゆる「本家の」インフレターゲット(イギリス他で採用されてたり、アメリカで採用すべきかどうかが議論されていたりするあれである)は日本では使用不能である、と書いた。そして、「今」金融政策が出来ないのだから、代わりに「将来の」金融政策(利下げ)を約束することで、期待インフレ率上昇→今のインフレ率回復(景気回復!)を狙うという「もうひとつの」インフレターゲットがあるということも説明した。

今回はこの「もうひとつの」インフレターゲットについて少し詳しく説明したい。これについての理解がないと、「日銀が今までやってきた政策(量的緩和)が正しかったのかどうか」を判断できない。そうなると、量的緩和解除が正しかったのかどうかも判断できなくなってしまう。そんなわけで、当初はこのエントリーの前に速報的に量的緩和解除関連のエントリーを書こうと思っていたのだが、まずこのエントリーを先に書き上げてしまうことにした。今回の量的緩和解除ネタは極力数日中に書くつもりなので、それでお許し願いたい。

Continue reading "インフレ・ターゲット(4):約束だけならサルでも出来る"

| | Comments (107) | TrackBack (1)

インフレ・ターゲット(3):デフレに使える政策・使えない政策

困ったことになってきた。筆者の目算としては「量的緩和」解除は早くても4月で、それを前提にこのシリーズ物を書いていたのだが。前回でインフレターゲットの経済学的な議論を一通り網羅し、今回「もうひとつのインフレターゲット」を紹介し、次回でその「もうひとつのインフレターゲット」の中身を説明して第5回で今後日銀がどうすべきかを書く。その上で今日銀がやろうとしていることをちゃんと評価する、というのが当初の狙いだったのだが、各種報道が正しいならこの予定は完全に崩れたことになる(新聞の飛ばし記事には何度も煮え湯を飲まされているので、実際に解除されるかどうかは筆者は予想しないが)。

本当はここで量的緩和解除に関するエントリーを書きたいところなのだが、そのためにはやはりゼロ金利下での金融政策とは何なのか、特に日銀が行ってきた当座預金残高ターゲットという量的緩和政策は何であったのか(政策の本質は何であったのか、有効だったのか・そうでなかったのか)を整理しなければまともな議論など出来はしない。そこで、あせる気持ちを抑えつつ、敢えてインフレターゲットの続きを書きたい。実際に解除されるか、または解除がいよいよ確定的になったら、速報的に別途エントリーを書くことにしよう。

Continue reading "インフレ・ターゲット(3):デフレに使える政策・使えない政策"

| | Comments (212) | TrackBack (0)

« February 2006 | Main | April 2006 »