金融政策とイールドカーブ
長いこと更新をサボってしまって申し訳ありません。どうもどたばたしてブログに関わる気になれず、更新どころか他のブログすら余り拝見することなく2ヶ月を過ごしてしまいました。これからも更新頻度は余り上げられそうにないのですが(ネタが腐る一方で・・・)、何とか暇を見つけて書いていきたいと思います(コメント欄まで放置してしまい申し訳ありません。今後はコメント欄だけはすぐにお返事を差し上げるようにしたいと思います)。
さて。とうとう量的緩和解除に続いてゼロ金利も解除されたわけなのだが。筆者の量的緩和解除に対する考えは「で、日銀は何をやったのか」で書いたので繰り返さないが、その中で「量的緩和解除には何の意味もないが、利上げをすればそれには一定の効果がある」といったことを書いたように思う。実際、「(ゼロ金利下での)量的緩和」による効果を示すテキストなりまともな論文なりを見つけるのはほとんど不可能だが、利上げによって景気が多かれ少なかれ損なわれる、という話はどの経済学の入門書にも必ず書いてあるいわば「常識」だ。
だが、実のところ筆者は最近この「利上げ・利下げ」というイベントに余り重要性を感じなくなってきている。今回の利上げに限っても、経済に与える直接的なインパクトはゼロに等しいのではないだろうか。今回はそんな話を。
金利はひとつではない
今回0.25%に利上げされたのは、無担コールレート翌日物(O/N)と呼ばれる、満期1日の超短期金利だ。アメリカで言うところのフェデラルファンドレート(FFレート)と同じものだ。では、この金利(以下O/N)が実体経済に対してどんな影響を持つのかというと、実は直接的な影響力はゼロだ。そもそもこのO/Nはインターバンクレートと呼ばれる銀行間取引のみで使われる金利であって、実際に投資したり消費したりする企業や個人がこの金利で借りることはできない。
昔はそれでもほぼ直接的な影響力があった。80年代までは、O/N以前に政策金利として使われていた公定歩合に、銀行の企業への短期貸出金利の指標であった短期プライムレート(短プラ)がきれいに連動していたからだ。ただそれも90年代に入ってからは連動性は薄れ、今や公定歩合そのものが消滅しつつある。
設備投資などにより強い影響力を持つと言われる長期プライムレート(長プラ)に至っては、O/Nとは直接には何の関係もない。長プラは大雑把には5年の金融債利回りに一定のスプレッドを乗せて決まる(注1)。今日から明日までの金利に過ぎないO/Nと、今日から5年間の金利である5年金融債利回(旧利付金融債。リッコーとかリッチョーとかのあれである)が連動して動く保証などどこにもないのだ。
試しに、7月に入ってからの短期金利(TIBOR:短期の指標金利の一種)の推移を見てみよう。なんだか見慣れないグラフかもしれないが、これはイールドカーブと呼ばれるもので、縦軸は金利水準、横軸はそれぞれの金利の「長さ」(=満期までの期間)を示している。青い線を見ると、7月3日時点での12ヶ月金利が大体0.5%強であったこと、利上げ前日・当日にはそれが0.6%強にまで上昇したことがわかるわけだ。左端の金利がO/N、そのすぐ右側が1週間金利となっている。利上げ後の黒い線でのみ、左端が0.25%となっていることを確認していただきたい。

こうしてみると、現在短プラに強い影響力を持つ(はずの)3ヶ月TIBORや6ヶ月TIBORは利上げ後にほとんど金利が上がっていないことが分かる。更に、より長期のイールドカーブ(スワップレート:ややこしいので説明は略。金利の一種と思って頂ければ十分である)を見てみよう。

こちらに至っては、利上げした結果長プラと関係の深い5年のスワップレートはむしろ低下していることが分かる。つまり、利上げというイベントに対して、実体経済に影響を与えそうな金利は全く反応していない。
言うまでもない話だが、もっと長期でものを見れば、利上げの影響は確実に存在する。去年の今頃は10年金利は1.3%程度に過ぎなかったわけで、いくら直近で金利が下がっているとはいえ、0.6%ポイント以上10年金利は上昇しているのだ。「だったら、細かい話をぐちゃぐちゃこねる必要なんかないじゃん」、と思われる方も多いかもしれないが、話の本筋はここからなのである。
長期金利の決まり方
では、なぜ長期の金利(ここでいう長期とは、O/Nより長い金利すべてのこと。3ヶ月金利も10年金利も長期である)は利上げの影響を直接受けないのだろうか?そして、なぜ長い目で見ると影響を受けているように見えるのだろうか?それを考えるために、長期金利の決まり方をごく簡単に説明しておきたい。
結論から書くと、長期の金利は短期の金利とその予想の平均値になる(注2)。たとえば、今日から1年の金利が1%であったとする。同時に、投資家が1年後から1年間の金利が2%になると予想していたとする。大雑把に言って、2年間で計3%の利息を稼げる計算だ。このとき、もし今から2年の金利が年率1%であれば、だれもこの債券or預金には興味を持たない。2年間で計2%の利息しか得られないからだ。一方、もし2年金利が2%であれば、だれも1年金利で運用しようとは思わない。今年1%、来年2%で計3%の利息を稼ぐより、2年金利で運用して今年2%、来年2%の計4%の利息を稼いだほうが有利だからだ。
この結果、「1年金利に2回投資」と「2年金利に1回投資」がバランスが取れるのは、
(今年の1年金利)+(来年の予想1年金利)=(今年の2年金利)×2
となった時だけだ。右端の×2を左辺に移せば平均になることは容易に分かるだろう。同じことが10年金利にも言える。
(今年の1年金利)+(来年の予想1年金利)+・・・+(9年後の予想1年金利)=(今年の10年金利)×10
であり、もっと極端に言えば
(今日の1日金利)+(明日の予想1日金利)+・・・+(9年と364日後の予想1日金利)=(今年の10年金利)×10×365
でもある(ここでいう1日金利とはO/N、無短コールレート翌日物のことである)。思いっきり極論ではあるが、10年金利は「今後10年で日銀がいつ、どれだけの利上げ・利下げを行うか」を予測して決まる、とも言えるのである。
上の式を見れば分かるとおり、「日銀が今日利上げするかどうか」という問題は長期金利にとっては全くどうでも良い問題である。なにしろ、3650分の1程度のインパクトしか持たないのだから。一方で、より短期の金利、たとえば3ヶ月金利などでは90分の1のインパクトを持つわけで、短期のイールドカーブを示す上の図では利上げに対してそれなりに素直に金利が上昇する一方、より長期のイールドカーブである下の図では、利上げイベントにはまるで関係なく金利が動いている理由がこれで分かったわけだ。
金融政策とイールドカーブ
つまり、長プラのような「より実体経済に影響を与える」金利をコントロールするには、「今月利上げするかどうか」よりも、「今後どのような金融政策を実施してゆくのか」という青写真のほうが遥かに大きな意味を持つことになる。重要なのは「年内にもう一度利上げがあるかどうか」ではなく、日銀が長期的にどの程度のインフレ率を志向しているか、それに見合う金利水準はどこか、という問いなのである(予想金利は予想インフレ率に直接連動する。予想インフレ率が1%ポイント上がれば、予想金利もまた1%ポイント上昇する)。
そう考えると、今回の利上げだけを捉えてあれこれ言うことの意味はほとんど無くなってくる。例えば、もし現在の利上げが「中央銀行がインフレを断固阻止するという意思の表れである」と受け取られ、その傾向が今後も続くと信じられるなら、「利上げの結果として中長期金利が低下する」という現象が起こることになる(長期の予想インフレ率が低下するため)。
これと似た現象はすでにアメリカで起こっている。2005年前半までにかけてグリーンスパンはFF金利を2%ポイントも上昇させたにもかかわらず、長期金利はその間むしろ低下してしまい、グリーンスパンをして「謎である」と嘆かせた一件である(日本語だとこちらやこちら)。
現在のマクロ経済学でこの問題を処理するのは(筆者の知る限り)かなり難しい。なぜなら、短期金利も長期金利も、互いに関係するひとまとまりの「金利」として(1次元の数字ではなく、2次元の「線」全体を金利と捉えるのである)、それと実体経済との関係を考えるというややこしい作業が必要になるからだ。これだと余りにも複雑なので、通常経済学では以下のような「いつでも水平」という極めて単純化されたイールドカーブを仮定して議論する。図から明らかなとおり、この「短期金利=長期金利」という仮定の下では、中央銀行が利上げをするとそれと同じ分だけ長期金利も上昇するため、上で指摘したような問題は起こらない。逆に言えば、これを仮定している限り、上で指摘した問題を扱うことができない。

実のところ、日本では1990年代くらいまではこの仮定であまり問題はなかった。イールドカーブの概念が希薄で、短期金利と長期金利が連動して動くということが実際良くあったからだ(確か。間違っていたらご指摘願いたい)。しかし、ちゃんとした金融理論(と自由な金融市場)が定着してきていた今、日本でもグリーンスパンが直面したような「謎」が起こりうるということは頭の隅に入れておくべきだろう。つまり、日銀にとっては、足元の金利をいかに安定させつつ利上げを行うかという職人芸(これはかなりのハイレベルに達していると思う)よりも、今後の金融政策をどう運営していくかというグランドデザインの構築こそが重要になってきているのだ。
実のところ、現在日銀は「インフレ馬鹿」という非常にシンプルなグランドデザインの構築に成功し、市場から「高い信頼」を勝ち得ている。このデザインが正しいかどうかはここでは議論しないが、遅かれ早かれ、日銀はこのデザインの正しさを試される日を迎えることになる。
本日のまとめ
「今利上げをすべきかどうか」というのは、相対的には瑣末な問題である。
なぜなら、実体経済に対して影響力を持つ金利は日銀が決めるオーバーナイト金利(O/N)ではなく、その将来の予想値に強く影響されるため。
よって、今後の金融政策のありようを伝えるメッセージこそが重要になり、実際の利上げ・利下げはそれらのメッセージを追認する役割しか持たない。特に、日銀のメッセージへの金融市場の信頼が篤い現状では、追認の必要性が薄れるため、利上げというイベントの意味は更に低下する。
真に問われるべきは利上げのタイミングなどではなく、日銀が志向するインフレ率の水準とそれをどう達成するかの2点。
注1:この説明は現在は余り正しくない。5年の利金債利回り+0.9%だったのはずいぶん昔の話で、ここ数年で各銀行はswapレートも織り込んだより現実的な算出法にシフトしつつある(というか遅すぎである)。どちらにせよ、本文の説明には余り影響しない。
注2:各種プレミアムの存在は単純化のため無視する。言うまでもなく、市場分断仮説的な考え方もここでは無視する。
注3:もちろん、今後10年の予想インフレ率・予想金利を中央銀行の行動だけから読み解くというのは無理がありすぎる。あくまでも一因として、という話である。このあたり、どのようなシグナルが優位になりうるかという話については「グリーンスパン議長の功罪」に詳述したのでそちらを参照されたい。更に厳密に考えると、恐らく中央銀行を信頼しての長期金利の低下、というのは結構paradoxicalな話だとも思うのだが、そのあたりはまだ深く考えていない。


Comments
はじめましていつも勉強させてていただいております。
今回の日銀の利上げでオーバーナイト金利があがるというだけで直接的な経済へのインパクトはないと言うことですが
間接的にしろインパクトはあるという事と受け取ってよろしいでしょうか?
お暇があればどんな間接的インパクトが国民生活に
具体的発生していくのか の記事が読めればいいです。
Posted by: はじめまして | July 17, 2006 at 09:32 PM
いつも興味深く拝見しております。
単に利上げすれば長期金利も連動するわけではなく
利上げ予測が影響するため、利上げしても長期金利は
下がるという事態が想定できる、との事ですが
利上げ時に市場が今後も利上げが継続されると
予測している場合、長期を買わず短期を買った方が
有利なので、長期が買われず、結果として
長期金利が上昇する筈なのに、それが下がるのが謎だと
されているわけですよね。そのように利上げの結果
長期が下がる場合、市場は今後の利下げ傾向を
予測しているという事でしょうか?それとも
このエントリーでは単に利上げ=長期利上げでは
ないのだよと言うだけで、どっちに転ぶかは
分からないという結論なのでしょうか。
Posted by: DOVER | July 18, 2006 at 07:39 AM
ご無沙汰です。エントリー更新、お待ちしておりましたよ(笑)。金融政策の波及メカニズムとして、イールドカーブが金融政策の先行きをどのように織り込んで形成されるかは重要なポイントだと思います。この点、日銀の場合に問題となるのは、①今後の金融政策のありようを伝えるメッセージが下手である(総裁のアドリブ発言などノイズが多い=対話でなく地均しになる)②日銀の志向するインフレ水準がイマイチ分かりにくい(『物価安定の理解』が分かりくい)-といったことでしょうか。日銀のメッセージへの信頼が篤い、という状況にはまだ至っていないように思います。もっと、素朴な織り込みではないかと思います。日銀は利上げしたい、だから織り込まざるをえない、といった感じではないかと。
Posted by: 本石町日記 | July 18, 2006 at 07:25 PM
はじめましてさん、コメントありがとうございます。
どこに着目するかで影響のあるなしは変わってくるのですが、間接的には影響はあるといってよいと思います。ただし、特に長期金利に対しては,今回の利上げが影響したというよりも、日銀の景況感とそれに伴う政策変更それ自体の影響のほうが大きいような気もします。
それから、私が言う間接的とは、O/N→短プラ・長プラなどの中長期金利→国民生活という単純なものです。今回は一つ目の矢印に注目しましたが、二つ目はもっと複雑になります。ただ、そちらは一般的な経済学で十分分析が進んでいる分野ですので、私よりもその道の専門家の著作を読まれたほうが早いかもしれません(もしアイデアが思いついたら私も書こうと思います。
Posted by: 馬車馬 | July 19, 2006 at 06:02 PM
DOVERさん、コメントありがとうございます。
(期間構造理論に従うならば)イールドカーブ(正確にはその傾き)は期待金利を正確に反映しますから、長期金利が低下したのであればそれは間違いなく将来の利下げを予想しています。ただし、10年金利の場合は通常景気の山谷両方を含んでしまっていますので、それらを平均した金利水準(および、それと密接に関係する期待インフレ率)に対する予想の変化の表れであって、単純な利下げ期待であるとは理論的にも言いづらいとは思いますが。
どちらにせよ、期待金利は市場が決めるものであり、その意味ではおっしゃるとおり「どっちに転ぶのかは分からない」というのが唯一の誠実な答え方であろうと思います。敢えてbetするなら、日銀のインフレ馬鹿的な行動を織り込んで、今後もインフレ率は高くならない(日銀がそうさせない)+日銀のhawkishな姿勢から経済成長率は低めに抑えられる=長期金利は低位安定→利上げしてもますますベアフラットニングが進み、10年金利は好景気が進んでもレンジ2%-4%、みたいな予想は出来ると思います。しかし、この予想だと債券営業部の回し者っぽすぎてストラテジストのコメントとしてはイマイチでしょうねぇ(笑)。
Posted by: 馬車馬 | July 19, 2006 at 06:18 PM
本石町日記さん、ご無沙汰しておりました。
これはそのうち書こうと思っているのですが、市場の福井総裁に対する信頼は結構篤いように思います。先日為替(のフォワード)のディーラーと飲んだときにもそういう話が出たのですが、やはりバーナンキとフクイどちらが信頼できるかといえば、断然フクイであると。彼が言うにはフクイはコンシステントだ、ということなのですが、私も同意します。(バーナンキはCNBCの一件でミソをつけたから、という側面もありますが)
織り込まざるを得ない、という状況になっていれば十分信頼は獲得されているように思います(そして1度も信頼を裏切っていない点も重要です)。また、6月のバーナンキを見ていて、中銀は市場と「対話」する必要などないのではないかと思い始めたのですが、これは考えがまとまったらそのうち書こうと思います。
Posted by: 馬車馬 | July 19, 2006 at 06:34 PM
>今後10年の予想インフレ率・予想金利を中央銀行の
>行動だけから読み解くというのは無理がありすぎる。
長期インフレ率(=実際に実現する名目短期金利の
平均)は『お金がどれだけばら撒かれたか』が決定
すると思います。具体的なばら撒き方は札刷って、
財出する、あるいは市場操作で高く買って安く売る
等になります。結局のところ、市場は後追いでイン
フレ率を調整できますが過去の名目短期金利は調整
できないので、実は上に書いた等式には破れがある
訳です。
1.貨幣供給増加=実際に実現する長期インフレ率
2.短期インフレ率の期待値=期待長期インフレ率
=長期金利=短期金利の期待値
もし市場が間違わないとすれば、この6つは等式で
結ばれるのですが、その間違わない程度がどの程度
なのかは、定かではありませんね。平均的にはそれ
程間違わないのでないか、と思っているのですが。
Posted by: 糞馬 | July 31, 2006 at 08:09 PM
すみません、大事な事を書き忘れました
市場は当然、間違わないように
「実際に実現する長期インフレ率」
「期待長期インフレ率=長期金利」
を一致させようとしますから、結局、長期金利は
『将来に渡る貨幣供給増加』の市場の予想を表す。
しかしながら、市場がそれを如何に予想するかは
やはりよく分からない
Posted by: 糞馬 | July 31, 2006 at 08:21 PM
糞馬さん、リプライが遅れてすみません。
前半の「長期的にはマネーはneutralになる」という点は私もおっしゃるとおりだと思います。ただ、後半部の2.ですが、期待インフレ率と均衡金利がイコールになるのは均衡実質金利がゼロで安定している場合だけではないでしょうか。
クルーグマンに至っては均衡実質金利はマイナスだったと主張しているわけですから、そのあたりの仮定は色々あるとは思うのですが。
Posted by: 馬車馬 | August 25, 2006 at 06:36 AM
馬車馬さん
リプライ、どうもありがとうございます。
>期待インフレ率と均衡金利がイコールになるのは
>均衡実質金利がゼロで安定している場合だけでは
>ないでしょうか。
そうですね。むしろ、その差は実体経済で定まり、
金融政策ではあまり変わらない、という感じになる
でしょうか。
Posted by: 馬糞 | August 31, 2006 at 10:38 PM
はじめましてこんにちは。馬車馬先生の良質な記事に圧倒されつつこのブログを楽しく読み漁っているぬるぽと申します。素人です。
私はFXトレードででドル円ロングポジションをたくさんもっているのですが、FXのスワップと、各国の10年債利回りの金利差は、相関関係があるのでしょうか?
つまり、日米で10年債利回りの差があれば、今後10年もドル円のスワップは同じぐらい・・・という予想が成り立つのでしょうか・・。用語間違ってるかもしれないし、的外れかもしれないうんこな質問でごめんなさい。よければぜひ御教授お願いします。
Posted by: ぬるぽ | September 07, 2006 at 10:39 AM
馬糞さん、コメントありがとうございます。リプライが遅れ続きでごめんなさい。
均衡実質金利は実体経済から定まるもので、日銀にはどうしようもないと考えるべきでしょうね。問題なのは、それが目に見えないということな訳ですが・・・
Posted by: 馬車馬 | September 09, 2006 at 10:30 AM
ぬるぽさん、コメントありがとうございます。
通貨スワップというのは元本交換を伴う点で、単に円とドルの貸し借りを同時にやる取引に過ぎません。ですから、通貨スワップを固定金利同士で行うなら、その金利は円ドル双方のスワップレートに一致します(理論上)。
ただし、現実には需給のブレから一定のスプレッドが存在します。これがいわゆるジャパンプレミアムです。このプレミアムには特に理論はありません。また、10年近辺の通貨スワップは市場が極端に薄いため、プレミアムは時々の需給で変動します。短期については為替フォワードでフルヘッジが取れるので、フォワードのプレミアムと厳密に一致するといってよいと思います(ただし、こちらもまれに裁定機会があったりします)。
といった辺りで答えになりましたでしょうか?
Posted by: 馬車馬 | September 09, 2006 at 11:04 AM
ご回答ありがとうございます。スワップにもジャパンプレミアムが存在するんですね。中長期に限って言えば(フォワードのプレミアム)-(ジャパンプレミアム)=スワップというところでしょうか。いずれにせよ、高金利通貨ロングは、長い目でみればスワップは金利差益より少ないということですよね。勉強になります。
Posted by: ぬるぽ | September 11, 2006 at 05:49 PM
ぬるぽさん、コメントありがとうございます。
中長期にはフォワードのマーケットが存在しませんので、むしろ短期でフォワードのプレミアム=ジャパンプレミアムが成立します。ただし、金利のベースが確か違うので厳密には変わってきますし、円ドル金利のどちらにプレミアムを乗せるかでも議論が変わってきます。まぁ、このあたりはど真ん中債券数学の議論ではありますが。また、最近はプレミアムがネガティブになっていたりしますので(需給により)、この辺りの事情は更に複雑です。私自身もちゃんとフォローしていないのですが・・・
Posted by: 馬車馬 | September 17, 2006 at 09:04 PM
うむむむ。
イールドカーブを構成する要素は、「未来の短期金利の期待値」と「リスクプレミアム(流動性選好とかリスク回避選好によるもの)」で、リスクプレミアムを除いて考えるのはナンセンスだと思うのですが・・・。
何故かというと、イールドカーブは多くの場合右上がりです。これを「将来の短期金利の期待値=長期金利」という見方だけだと、短期金利が将来にわたって増加していくことを表しています。しかし、いつもいつも短期金利が右上がりで上昇しているか、というと歴史的に見て、そんなことはありません。この場合、イールドカーブが右上がりであるのは、将来の金利変動リスクに対して、ポジションを固定しているリスクに対してリスクプレミアムを支払っている、という風に解釈するのが自然だと思います。(ケインズが言い始めた、とか聞いたことがありますが)
Posted by: 通りすがり | November 27, 2006 at 09:36 PM
>リスクプレミアムを除いて考えるのはナンセンスだと
>思うのですが・・・。
ナンセンスというか、その部分はよく分からないので、
とりあえず固定して考えてみる。
Posted by: フマ | December 10, 2006 at 04:32 PM
通りすがりさん、フマさん:
フマさんがフォローしてくださったとおり、リスクプレミアムを無視しているというよりも、固定して考えているわけです(フマさん、フォローありがとうございました)。
現時点においては、イールドプレミアム、特に流動性プレミアムは理論的にもまるでメカニズムが解明されておらず、金融政策のこれらプレミアムに対する影響をちゃんと考えることはきわめて難しい作業になります。また、少なくともempiricalには、それらのプレミアムが直近の金融政策に対して特別強い相関を持っているとは言えないと思います。
この議論では金利の絶対水準ではなく、変化分のみに注目していますので、プレミアムが固定、乃至は金融政策に対して独立と仮定される場合、差分に対する影響はゼロになります。よって、「無視」する、という表現になったわけです。ちょっと誤解を招く表現であったのは確かですね・・・。
Posted by: 馬車馬 | December 18, 2006 at 08:31 AM
ゼロ金利借りてくれなきゃ効果ゼロ
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50764667.html
ゼロ金利、長く続けば、刺激ゼロ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070208/118698/
「ゼロ金利は景気を刺激する」と言いますが、「刺激」になるのは条件があります。一時的な措置なら刺激と言えますが、長期間に及ぶと、最初は刺激になっても、次第に刺激に感じなくなるはずです。
Posted by: リンク… | February 15, 2007 at 12:49 PM